夜勤の制度を見直すことで

介護の分野では離職率が高く、人材不足に陥っている施設が多い。介護施設の運営を続けていくためには、長く働き続けられる労働環境を整えなければならない。労働環境の改善の手掛かりになるのが、勤務体制の見直しにある。介護の仕事は夜勤の仕事もあり、生活リズムが崩れるという問題がある。夜勤の仕事が生活リズムに合わないにもかかわらず、無理を続けて体調を崩してしまい、リタイアする例は少なくはない。このような介護職の人材不足の要因となる問題を解消しなければ、新しい人材を獲得したとしてもまた離職する可能性が高い。

介護スタッフの負担を軽くする方法の一つに、交代制度を見直す方法がある。二交代制では、勤務時間が長くなって体の負担が大きくなる。介護業務では肉体的疲労も大きいため、そこへさらに長時間の夜勤の仕事が重なれば心身への負担は多大なものになる。疲労が蓄積すると、注意が散漫になって仕事のミスにつながる可能性もある。一方で三交代制を採用している職場であれば、一度当たりの勤務時間が短くなるため比較的心身の負担は軽減できる。ただし、介護業界では二交代制を採用している施設が多い傾向にあり、ただでさえ人手が足りていない状況では簡単に交代制度を変えることは難しいのが現状だ。また二交代制の職場でも、工夫すれば介護の仕事がうまくこなせる可能性はある。また介護スタッフ自身も、夜勤の負担を軽減するために睡眠時間を取り、休日にはしっかり体を休めるなどの心掛けが欠かせない。

~介護業界の人材不足と対策~